第119回紹介作品
タイトル
『12人の優しい日本人』
1991年、 監督 中原俊 116分
紹介者
栗原好郎
作品の解説
ご存じ今を時めく三谷幸喜の演劇脚本を基にした中原俊監督の映画である。 シドニー・ルメットの『十二人の怒れる男』(1957年)へのオマージュともなっている。 陪審員制度が日本にもあったら、という仮定で作られた密室劇だが、2時間にも及ぶ作品にもかかわらず間然する所がない。 もちろん、当時の日本にはいわゆる裁判員制度はなかったわけで、今から考えると、このリメイクも三谷の天才的な直観による所が大きい。 とにかく、畳み掛けるように論理を追求すると見せて、脱線に次ぐ脱線、話が横道にそれてしまう。 それでいてきちんと論理の整合性は守られている。 テレビドラマの『古畑任三郎』然り。