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第126回紹介作品

タイトル

『最強のふたり』
2011年、 監督 エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ 112分

紹介者

栗原好郎

作品の解説

バリアフリーという考え方には基本的には賛成だが、自分でやれることまで奪ってしまっては本末転倒。 障害者も高齢者も自分で出来る事を見つけて行く姿勢は失ってはならない。 首から下が麻痺した大富豪フィリップと彼を介護するスラム出身の黒人青年ドリスとの出会い。 自分の介護人選びの面接でフィリップが選んだのは、自分とは何から何まで正反対のドリス。 ただ偏見のない所だけは似ている二人だが。 フィリップにとっては、世間の同情より自分を対等に扱うドリスの方が好ましい存在なのだ。 ハリウッド映画よろしく、介護経験の全くないドリスと繰り広げる珍騒動がスピーディに展開する。 以前、『八日目』(1996年)についても書いたことがあるが、身障者を特別扱いしない姿勢は、冷たいようだが、同じ世界を生きる人間として対等な関係を築く礎になるのではないか。 この作品はお涙頂戴式のドラマではなく、ハイテンポのコメディとして演出されている。 乙武さんの『五体不満足』を思い出してしまった。

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