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第144回紹介作品

タイトル

『わたしはロランス』
2012年、 監督 グザヴィエ・ドラン  168分

紹介者

栗原好郎

作品の解説

カラフルな色彩感覚に圧倒されるグザヴィエ・ドラン監督の作品。 168分と言う長尺物の映画だが、間然する所はない。 原題の『Laurence Anyways』は、強いて訳せば『とにかくロランスだ』となろうが、この映画の最後に主人公のロランスが発するセリフからタイトルが取られている。 「女になりたい男」がついに壁を乗り越えカミングアウトし、颯爽と女装姿に変身するシーンの鮮烈な印象は忘れられない。 彼を取り巻く社会の偏見や拒絶反応をよそに、ロランスの恋人フレッドは衝撃を受けながらも彼の理解者であろうと決意する。 ストーリー展開の見事さもさることながら、とにかく色彩と会話の妙が観客を唸らせる。 空からカラフルな服が降ってくる。 まるでお伽話のワンシーンのような幻想的な場面だ。 ガス・ヴァン・サント絶賛の作品。

    

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