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第185回紹介作品

タイトル

プロセスへの興味

紹介者

栗原好郎

作品の解説

最近は、DVDなどが普及し、家庭でも高画質、高音質の映画が視聴できるようになった。 DVDの製作が可能なことを前提に、自分の過去の映画を特別完全版として上映したコッポラなどに代表されるように、 単に過去の自作の再生としてではなく、新たな可能性を求めて、DVDを利用する映画人もすでに出てきている。

過去の作品の単なる再生としての映画ということであれば、ビデオですでにその役目はかなりな部分、果たされていた。 DVDはビデオを超える耐久性や画質、音質を保ちながら、最後の瞬間まで自作を改変する機会を映画人に与えた。

ただこうした科学技術の発達は一方で、観客に性急な映画の見方を強いることにもなった。 昔のように長いプロセスを経てやっと少しの変化しか生じない作品などは退屈なものとしか映らなくなっているのは事実だ。 つまり、プロセスへの興味を観る者が抱きにくい時代になった。 キューブリックの『2001年宇宙の旅』の「単調さ」には閉口する人も結構多いはずだ。 しかし、映画はプロセスが全てである。 映画は編集されるものであり、プロセスは作者の存在証明なのである。 映画は映画館でと言いたいところだが、DVDの普及もプラス面がある。 問題は性急に結果を求めないということ。 プロセスに目を凝らし、画面から何かを読み取る姿勢こそが映画に新しい可能性を切り開く。 そのための文明の利器であって欲しい。

  

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