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第58回紹介作品

タイトル

『荻上直子の映画』

紹介者

栗原好郎

作品の解説

荻上の名を高からしめた『かもめ食堂』(2005年)にしろ、『めがね』(2007年)にしろ、セリフの面白さもさることながら、絶妙な間合いの取り方が笑いを誘う。 前者には、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の『過去のない男』(2002年)に主演していたマルック・ペルトラが出ているのを見ても分かるが、 カウリスマキと通じるそこはかとない可笑し味が感じられる。それはカウリスマキが尊敬する小津安二郎にも言える特徴である。 荻上の旧作に『恋は五・七・五!』(2004年)があるが、まさに俳句的世界を体現したような作品を荻上は作ってきている。 簡潔な表現を用いながら余情を残す、という俳諧的世界観が遠望できる。

     

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