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第91回紹介作品

タイトル

『さよなら子供たち』
1987年、 監督 ルイ・マル  103分

紹介者

栗原好郎

作品の解説

ルイ・マルというフランスの映画監督を知っている人も今は少ないような気がする。 近年、日本でも阿部寛主演でリメイクされた『死刑台のエレベーター』や、 アルコール依存症の男が死に至るまでの48時間を描いた『鬼火』。 さらに『アメリ』に影響を与えたと思われる『地下鉄のザジ』、 ブラームスが印象的な『恋人たち』など、知る人ぞ知る映画作家だ。 今回の『さよなら子供たち』は、ルイ・マルの自伝的な作品で、 1944年ドイツ占領時代のフランスを舞台に展開する。 監督の分身であるジュリアン・カンタン少年とひとりのユダヤ人少年との出会いと別れを淡々と描いている。 パリから戦火を逃れ、カトリックの修道院の寄宿舎で生活するジュリアンのもとに転校生がやってくるが・・・。 暗雲漂うヨーロッパの中にあって、こうした関わりを持ったことで、ルイ・マルという監督が生まれたのではないか。 ユダヤ人少年との別れから40年以上たって漸く客観的に少年時代を振り返る事ができた監督自身の声に耳を傾けたい。 むしろ悲しい別れを受け入れるには40年が必要だったのかもしれないが。 タイトルの「さよなら子供たち」は、修道院の院長がラストで子どもたちに言うセリフである。

    

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