お知らせ

情報工学部分館主催講演会のお知らせ

附属図書館情報工学部分館では、第35回および第36回講演会を下記の通り開催します。

皆様お誘いあわせてご来場いただきますよう、お待ちいたしております。

平成18年11月1日(水)および平成19年3月7日(水)全2回

14時30分開演

(2回目の日時が変更になりました)

会場: 九州工業大学情報工学部 総合研究棟B1階 リエゾン推進セミナー室(地域共同研究センタセミナー室)

参加費: 無料 (大学関係者に限らずどなたでも参加できます)

講師: 近藤 直也 氏 (九州工業大学情報工学部共通講座教授)

演題: 櫛の精神史 −辻占・縁切り・モノモライ(麦粒腫)、落ちた櫛を拾ってはならない理由−

概要: 

櫛は、整髪用具として現在でも欠かせない必需品であるが、実用面だけでなく 精神的世界では数多くの測り知れない程の大きな奥深い意味を持つ。その中でも、今回はモノモライ(麦粒腫)を治す呪具・縁切り・辻占に登場する櫛に焦点を当て、これを手がかりとして日本人の精神構造を明らかにする。

櫛を畳のへりにこすりつけ、その摩擦熱がこもった櫛を患部に当てればモノモライが治るとする呪法は、全国各地で散見される。このルーツを辿れば、遥か古代の神話にまで遡り得る事を、様々な資料を活用しながら証明する。また、落ちた櫛を拾ってはいけないというタブーの根拠を考察する中で、櫛拾いが異界発生装置を作動させる仕組みになっていた事を明らかにする。加えて、現在の占いブームに繋がる辻占の中に、櫛の最も重要な本質部分が隠されていた事を解明する。

櫛とは、この世から目には見えないもう一つ別の世界を覗くための極めて重要な仕掛けであった事を、あたりまえの如く展開されてきた伝統習俗の中味を一つ一つ腑分けする中で明らかにして行く。

非常に緊張感のある、スリルに富んだ講座となる。日本文化の豊かさ、奥深さを改めて思い知る機会となろう。乞御期待。