図書館トップ > CineTech home > 第127回紹介作品

第127回紹介作品

タイトル

『アーティスト』
2011年、 監督 ミシェル・アザナヴィシウス 100分

紹介者

栗原好郎

作品の解説

現代には珍しいサイレント映画である。 映像はつまるところ、画面が全てであり、その意味では、セリフを消したサイレントこそ映画の本道かもしれない。 最近の映画は音声を消して観ると、実に平板なものが多い。 画面の緊張がなく、弛緩した作品ばかりを観ていると、サイレント回帰を叫びたくもなる。 新藤兼人も『裸の島』をセリフのない映像詩として撮った。 『ジャズ・シンガー』(1927年)以来、映画界はトーキー時代に突入したわけだが、依然として無声映画を撮り続ける監督たちはいる。 彼らによって映像の喚起力を改めて認識させられた事も多々あるが、『アーティスト』の監督ミシェル・アザナヴィシウスもその一人である。 『アーティスト』は1927年のハリウッドを舞台に、サイレントからトーキーに移行する時代を描いている。 映画の古き良き時代へのオマージュである。

ページの先頭へ戻る