『Ollama』がついに画像生成に対応した話
お世話になっております。飯塚分館LSSの前田です。
早速ですが、皆さんは『ローカルLLM』を使っていますでしょうか?
ローカルLLMとは
LLM...Large Language Model(大規模言語モデル)。ざっくり言うと 人間が書いた大量のテキスト(インターネット上の文章、書籍、コードなど)を読み込んで学習したAIです。
「こんにちは」と言われたら「こんにちは」と返す、質問されたら答えを考える、小説の続きを書く、プログラムを書くなど、「言葉」に関わることなら何でもこなします。
有名どころでいえば、OpenAI社製のChatGPT、Google社製のGeminiなんかもLLMですね。
これをローカルなコンピュータで...つまり、自分の持っているPC内のみで動かすのが『ローカルLLM』と言うわけです。(ちなみに、先に挙げたChatGPTやGeminiは『クラウドLLM』と呼ばれることがあります。)
ローカルLLMを使うメリットは何でしょうか。ChatGPTやGeminiが使えれば十分。そういう人もいるでしょう。
ただ、クラウドLLMでは入力した質問やデータは、原則として企業のサーバーに送られます。「会社の機密情報」や「個人的な恥ずかしい悩み」、「開発中のゲームの未公開シナリオ」などを送るのは少しリスクがあります。
しかし、ローカルLLMならどうでしょうか。ローカルのコンピュータのみで完結しているため、LANケーブルを抜いてインターネットから隔離した状態でもLLMが動くわけです。つまり、PCから一歩もデータ出ません。 どんな秘密を打ち明けても、誰にも覗かれる心配がないのです。
次に、クラウドLLMを使う上で避けては通れないのがお金の問題。高性能モデルなを長時間使うためには、月額料金の支払いやAPI使用に関する従量課金をしなくてはいけない場合が殆どです。
これに対して、ローカルLLMを使うには電気代以外は完全無料でLLMが使い放題なのです。
以上の二点...「プライバシーの機密性」と「低コスト」という点においては、ローカルLLMは非常に優れた存在だと言えます。
クラウドLLMが当たり前のように備えている「マルチモーダル機能(テキストだけでなく、画像や音声も扱える能力)」において、ローカルLLMは少し遅れをとっていました。 「文章を書くのはローカルLLM(Ollamaなど)に任せて、絵を描くのは『Stable Diffusion』などの別の専門ツールを導入して……」というように、これまでは使い分けや複雑な環境構築が必要だったのです。
しかし、その常識がついに覆されました。 ローカルLLMランナーの決定版「Ollama」が、ついに画像生成に対応したのです。
Ollamaで画像生成ができることの衝撃
「Ollama」といえば、難しい設定なしに、ターミナル(黒い画面)でコマンドを一行打つだけでLLMが動かせる手軽さが最大の魅力です。 その手軽さのままで、画像生成が可能になったというのは、界隈にとってはちょっとした革命です。
これまでローカルで画像を生成しようとすると、Pythonの環境を整えたり、GPUのVRAM管理に頭を悩ませたり、専用のWeb UIをインストールしたりと、初心者にはハードルが高いものでした。 それが、Ollamaのアップデートによって、いつものチャット画面で「猫の画像を作って」と頼むだけで、画像が生成される世界線がやってきたのです。
なぜ「ローカルで画像生成」なのか?
冒頭で触れた「プライバシー」と「コスト」のメリットは、画像生成においてさらに輝きます。
1. 生成物の権利とプライバシー クラウドの画像生成AIを使う場合、プロンプト(指示文)や生成された画像はサーバーに残る可能性があります。企業のロゴ案や、個人的な趣味全開のイラスト、あるいは機密資料用のイメージ画像を生成する際、ローカル環境なら外部流出のリスクはゼロです。誰にも見られず、好きなだけ試行錯誤ができます。
2. 無制限の試行回数 DALL-E 3やMidjourneyなどの高性能なクラウド画像生成AIは、基本的に有料であったり、生成枚数に制限(クレジット制)があったりします。「もっとこうしたい」と微調整を繰り返していると、あっという間にクレジットが溶けてしまいます。 しかし、ローカルなら無料です。電気代が許す限り、納得がいくまで何百枚でも、何千枚でも生成ガチャを回し続けられます。
まとめ:個人AIの最強環境が整いつつある
テキストを理解し、コードを書き、そして画像も生み出す。これら全てが、インターネットに繋がっていない自分のPCの中だけで完結する。 SF映画で見たような「自分専用の相棒AI」が、Ollamaの進化によってまた一歩現実に近づきました。
もちろん、PCのスペック(特にGPU性能)はそれなりに要求されますが、ゲーミングPCを持っている方や、Appleシリコン搭載のMacを使っている方なら、今すぐにでも試す価値があります。 みなさんも、LANケーブルを抜いて、無限の創造性をローカル環境で楽しんでみてはいかがでしょうか?